棒人間
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読んだ本の感想がメイン。その他に手作りのパンやお菓子などを (更新再開)
北森鴻 蜻蛉始末(文春文庫)
2006年 09月 19日 (火) 20:03
蜻蛉始末 蜻蛉始末
北森 鴻 (2004/08)
文藝春秋

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幕末、商人傳三郎は高杉晋作らとともに
志士として活動しようとしてた。
そんな傳三郎にはどんなときでも影のように寄り添う
とんぼというあだ名の宇三郎がいた。
そして明治、政府相手に商売をしていた傳三郎が
贋札事件の首謀者として捕まる。
身に覚えが無いため容疑を否認する傳三郎だったが
ある一つの話を聞いた途端黙り込んでしまう。
今回はミステリではなく歴史物。
それも幕末から明治という大きな流れの中で
傳三郎ととんぼという二人の男にだけ
焦点を当てたものです。

とんぼは小さい頃から殴られようが
蹴られようが罵倒されようが傳三郎から
離れることはありませんでした。
大方の人間はこのあたりで離れていったでしょうが
とくに特技もないようなとんぼにとっては
「傳三郎を護ること、意を汲むこと=生き方、やること」で
影として生きることが何よりも大事だったのでしょう。
時間を経過するにつれ他に護るものが出来、
たしかに何かあったとき躊躇無く身を捨てることが
出来なくなったとんぼは弱くなったでしょうが
傳三郎の優先順位は相変わらず一番でした。
ですが、結局あの様なことになったのは
まさに時代の悲劇だったと思います。
ほんのちょっとしたことから彼処まで
別れてしまったのはあの時代だったこそではないでしょうか。

北森作品としてはかなり異色の部類でしたが
とても面白かったです。
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